QOLを向上させる取り組み

QOLとは「Quality of Life」を略した言葉で、一般的には生活の質や人生の質と訳されています。物質的な豊かさではなく、心身ともに健やかで自分らしく充実した毎日を送ることに着目した考え方です。

QOLを客観的に数値で評価するために、WHOは基本調査票を開発しました。身体的領域、心理的領域、社会的関係などの6つの領域に分かれており、それぞれの質問に対する回答を点数化します。点数が高ければ生活の質は良好で、反対に点数が低ければ改善が必要であると判断されます。

高齢者のQOLを向上させる取り組みとして、レクリエーションが注目されています。レクリエーションは、介護施設やデイケアセンターなどで日常的に行われていますが、単純に楽しむだけの娯楽活動ではありません。高齢になるにつれ身体的能力は衰えていき、これまで普通にできていたことが徐々に出来なくなっていきます。思うように体の自由が利かないので、外出する機会が減ったり、家事がうまくできなかったりして、生活の質が下がってしまうのです。レクリエーションでは、楽しく活動しながら日常生活に必要な動作を鍛え、高齢者が自立した生活を維持できるようにサポートしています。

QOL向上において最も重要なことは、その人にとっての幸せや生きがいを知ることです。1人1人価値観は異なりますし、求めているものも当然異なります。高齢者1人1人が自分らしい生活を実現できるように、どんなサービスを希望しているのか、まずはしっかり聞き取りましょう。